ストーリー(競技の舞台設定)
レスコンは、架空の研究所である「国際レスキュー工学研究所」の実験施設として設計されたテストフィールドを用いて救助活動を行うコンテストである。テストフィールドは、大地震で半壊となったビルや施設内部を災害現場として、4分の1スケールで模擬している。想定されている災害シナリオに対して、提案システムの評価を行うために、本選ではテストフィールドにて救助活動を行う。 災害現場には、被災した人間を模した人形「レスキューダミー」(愛称:ダミヤン)が取り残されている。現場は二次災害などの危険があり人間が近づくことができないので、ロボットだけでダミヤンを救い出し安全な場所まで運ばなければならない。参加チームは、テストフィールドとは隔壁で隔てた場所におり(屋外を想定)、ロボットに搭載されたカメラの映像と室内カメラからの映像だけを頼りに、ロボットを遠隔操縦する。ただし、自律型のロボットを使うことも可能である。
状況設定(競技シナリオ)
地震により大規模停電が発生するとともにビルや施設の建物(病院/高齢者施設/オフィスビル/工場など)が被災したため、従業員や作業者ら数名の行方不明者の捜索および救助依頼があった。
レスキューロボット隊は、ロボットを投入し、停電が復旧するまでの時間内に、人間が進入するには二次災害の危険がある半倒壊建屋内の被災状況調査、送電開始後に起きる通電・復電火災防止対策、ガス漏れによる爆発防止対策、要救助者の早期発見(捜索、容体確認)および救助を行う。安全な場所に救出された要救助者は、ヘリコプターなどにより病院に搬送される。上記シナリオを実現するレスキューシステムを提案し、1/4スケールの模擬テストフィールドにて提案システムの評価を行う。
レスコン2026における主な変更点(本選競技に関わる部分のみ)
- 書類審査におけるロボット台数の制限追加
- 本選競技数(各競技1チームづつ)の変更
- 本選のテスト(競技)フィールドの変更
- 本選におけるプレゼンテーション方法の変更
- 「調査報告ミッション」の内容変更
- 「容体判定」の点数変更
- 無線LAN通信規格の変更
競技ミッション
競技会場には、大地震で半倒壊となったビルや施設、工場などの半倒壊建屋を模擬した1/4スケールの競技フィールド(約9m×5.5m)が用意されています。フィールド内には、行方が分かっていない要救助者を模擬したレスキューダミー(愛称:ダミヤン)が数体配置されています。
建物の間取りはあらかじめ把握することができ、要救助者の捜索対象は3部屋であることがわかっています。チームは、指定されたスタートゲートからロボットを投入し、制限時間内に以下の3つのミッションを行います。
- ・作業ミッション
- レスキュー活動に関連したミッションです。「障害物撤去タスク」、「ガス栓対応タスク」のタスクが存在します。
- ・調査報告ミッション
- フィールドの状態を確認し、報告するミッションです。「現場到着タスク」、「被災状況報告タスク」、「容体判定タスク」のタスクが存在します。
- ・救出ミッション
- フィールドに存在するレスキューダミーを救出するミッションです。「支援物資提供タスク」、「救出」、「搬送」のタスクが存在します。
競技では、最初に事前提出されたプレゼンテーション動画(1分20秒)によりチームのレスキュー活動への考え方を説明します。その後、レスキュー活動(ファースト・セカンド10分。ファイナル12分)を行います。
各チームのロボットは、スタートエリアから出動し、レスキュー活動時間内に数体のダミヤンを救出し、救出エリアへ搬送しなければなりません。オペレータはコントロールルーム内でロボットに搭載されたカメラの映像だけを頼りにロボットを操縦します。ただし、自律型ロボットを使うこともできます。
競技フィールド
テストフィールドは、被災した倒壊建屋を模擬した「フィールド」と、倒壊建屋付近の⽐較的安全な場所と想定している「外部フィールド」で分類されます。
※競技会本選では、ルームの区切りを示すライン等が追加される予定です。
フィールド
フィールドは以下の3エリアで構成されます。
- ・ルーム(A,B,C)
- フィールド内の探索を必要とする場所。ルーム内には、「被災状況報告」ミッション用の報告対象が配置されています。ルーム内部は、閉鎖空間となっている場合があります。内部に照明がない場合があります。ルーム内の1区画を「ブロック」とよび、ブロック内には、レスキューダミーや障害物等が存在します。
- ・共通エリア
- ルームをつなぐ通路・階段のこと。階段がスロープに変更される場合があります。障害物等存在します。
- ・救出エリア
- 救出したレスキューダミーを搬送する先の屋外という設定です。救出エリアにレスキューダミーを搬送した場合のみ「搬送完了」となります。
外部フィールド
外部フィールドは、被災した倒壊建屋への侵入口付近を再現しています。外部フィールドは、以下の3エリアで構成され、建屋内が直接⽬視できない場所であることを模擬するために、フィールドとは隔壁で区分けし、直接情報収集ができないようにしてある。キャプテン、オペレータ、エンジニア、通信デバイス管理者はコントロールルーム内で活動を行います。
- ・コントロールルーム
- チームメンバーはこのエリアから遠隔でロボットを操作しなねければなりません。
- ・スタートエリア
- ロボットおよびその付属品が配置される1,800mm×900mmの区画。 フィールドへ出るためのスタートゲートがあり、道路上面からの高さが600mmであり、幅は700mmです。すべてのロボットはスタートゲートの下を通り出動しなければなりません。

- ・ヘルパーエリア
- 競技中にテストフィールド側でヘルパーが待機する場所。コントロールルームからは隔離された位置に設定します。
その他
フィールド内には、通常のガレキ以外に、写真に示すような屋内を模した物(ガレキ扱い)も設置される可能性があります。
写真はあくまでイメージです。
チームメンバー
競技会に参加するチームのメンバーをチームメンバーという。最⼤7名で編成され、それぞれに必ず役割が与えられる。フィールド、チーム控え室およびコントロールルーム等、出⼊りを制限される場所に⼊って活動することができる。参加チームのメンバーとして競技会等に参加するためにはチームメンバーでなければならない。
競技メンバーはそれぞれ以下に示す担当を務める。
(一部は兼務可能)
- ・キャプテン
- →チーム全体の指揮を取る。上限1名。応募時に登録しなければならない。コンテスト終了までキャプテンの変更は認められない(特別な事情を除く)。
- ・通信デバイス管理者
- →競技中に使⽤する通信機器の管理。上限1名。
- ・オペレータ
- →ロボットの操縦を担当し、救助活動を実施。上限2名。
- ・エンジニア
- →コントロールルーム内で、ロボットの整備や技術的なサポートを実施。
- ・ヘルパー
- →ヘルパーエリアで待機。リスタート時のロボット設置‧退場作業を補助。実⾏委員会提供のヘルメット着⽤必須。
ロボットについて
ロボットの制限について
ロボットは⼿動操縦(遠隔操作)型あるいは自律型とする。
競技に参加するすべてのロボットは規定に定められている基本的な安全原則と要件を満たす必要がある。
ロボットの台数は最大8台までとし、サイズ・重量に制限はないが、スタートエリア(1800mm×900mm)内にすべてのロボットおよび交換部品、エネルギー源(バッテリー)が収まり、幅700mm×⾼さ600mmのゲートを通過できるサイズであることが求められる。
ロボットにはカメラが搭載されており、メンバーは競技フィールドを直接見ずに(競技会予選は目視可能)、カメラの映像や様々なセンサ情報だけを頼りに無線および有線で遠隔操縦を行います。
なお、ロボットを操作できるオペレータは2名までに制限されています。
エネルギー源を搭載するすべてのロボットに緊急停⽌スイッチの設置が必要です。緊急停止スイッチは、ロボットの上部に設置し、審判が容易に操作できる位置とすること。 なお、スタートエリア上に電源を置く場合、スタートエリア内のバッテリーにはスイッチを取り付け、緊急時に電源供給を停⽌できるようにしておくこと。設置した1つの緊急停止スイッチで「Appendix D ロボット共通規定」の「D.4 緊急停⽌スイッチ仕様」に記載されている「機能要件」を満たす必要があります。
ロボットのエネルギー源について
- 競技中のロボットのエネルギー源はチームで用意すること。
- 使用できる電池は、リチウムリン酸鉄充電池、ニッカド充電池、ニッケル水素充電池、密閉型鉛蓄電池および乾電池である。ただし、それらの電池は市販状態で使用するものとし、自作の電池パック等の使用は禁止する。
- 本選競技で使⽤するすべてのバッテリーおよび充電器は、「バッテリー‧充電器リスト」に記⼊し、競技会本選前に提出し、登録する必要がある。登録の無いエネルギー源について、利用することは認めない。
通信について
無線通信と有線通信のどちらの⽅式を⽤いてもよい。1 台のロボットが、無線通信と有線通信の2つを同時に利用することもできる。
なお、実行委員会が推奨する無線機器は、レスコンボードである。
機器貸与チームに選ばれた各チームには、レスコンボードを2セット(TPIP4 2セット)、無線LAN⼦機 2セット(TPIP4⽤2セットの予定)、PWM増設基板および動作確認⽤機器を貸与します。
また、機器貸与チームに選ばれなかったチームまたはレスコンボード以外を使用するチームは、各自で用意しなければならない。ネットワーク 機器に接続して利用できるロボット制御ボード(レスコンボード等)は、「Appendix D ロボット共通規定」の「D.5 通信と制御システム」に記載されている要件を満たす必要があります。レスコンボードを各チームで購入することは可能です。
なお、ロボット制御ボードの使用数は無制限とするが、 通信帯域の 制約 により 5 セット以上では、映像遅延、操作不能などが発生する可能性が高くなる。
ロボット検査について
本選競技前に競技に出場するすべてのロボットに対してロボット検査を実施する。ロボット検査はコンテストのフィロソフィー、開催趣旨および規定に基づき、ロボットが競技に出場可能かを検査する。 合格したロボットのみ競技への出場を認める。検査では主にロボットのサイズ、機能および安全性を確認する。 なお、ロボットアイデア⽤紙に記載の構想と明らかに異なるロボットはロボット検査に不合格となる。 検査結果に異議を唱えることはできない。
レスキューダミー(愛称:ダミヤン)
要救助者を模擬した約30㎝、質量は約260g(服の重量は含まない)の人形(※複数用意されているが、寸法、形状や質量にはばらつきがある)で、内蔵された各種センサにより、ボディへの余分な力や手荒な扱いを検知し、それらの信号は競技フィールド外のコンピュータヘ無線で送信されます。それらの信号に基づいて痛みなどのダメージを計算します。また,離れた場所から要救助者の容体を判定することを想定して、各ダミヤンには「顔の色(頭部の一部の発色」「音(周波数)」「鳴動パターン」「二次元コード(QRコード)」の4つの識別因子が設定されており、それらの情報から「歩行」「負傷」「呼吸」「脈動」「意識」の5つについて容体判定を行います。
点数評価
ポイントの内訳は以下のとおりである。
- 競技ポイント(1200点満点)
- = ファーストステージ確定ポイント(600点満点)+ ファイナルステージ確定ポイント(600点満点)
- 総合ポイント(1800点満点)
- = 競技ポイント+ 審査員ポイント(600点満点)
各ステージごとの確定ポイント(600点満点)は、救出中の各ダミヤンに対するダメージ(フィジカルポイント)と各ミッション作業の達成度を評価する(ミッションポイント)を総合した点数で評価されます。ダメージはダミヤンに内蔵されたセンサで判断します。また、ミッションポイントは「作業ミッション」「調査報告ミッション」「救出ミッション」の3つのミッションの達成度でポイントが発生します。各ポイントの詳細を以下に記します。
また、反則には該当しないが、悪質な行為が認められた場合、審判団は50点を限度として合計ポイントを減点することができます。詳細は規定を参照してください。
フィジカルポイント (100点満点/ダミヤン)
ダミヤンの体力を表しています。時間の経過と共に値が徐々に減っていき、ダミヤンに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります。これらは、ダミヤンごとに評価され、最初の値は100点です。
「支援物資提供タスク」によるヒーリングインデックスによりフィジカルポイントの回復が行われた場合であっても、フィジカルポイントの最大値が100点を超えることはありません。
ミッションポイント(300点満点)
ミッションポイントの内訳は以下のようになっています。
| ミッション | タスク | 最大 ポイント | 最大 ミッション ポイント |
|---|---|---|---|
| 作業 ミッション | 障害物撤去 タスク | 30 | 60 |
| ガス栓対応 タスク | 30 | ||
| 調査報告 ミッション | 現場到着 タスク | 10/ルーム (×3ルーム=30) | 150 |
| 被災状況 報告タスク | 10/ルーム (×3ルーム=30) |
||
| 容体判定 タスク | 30/ダミヤン (×3ダミヤン=90) |
||
| 救出 ミッション | ⽀援物資 提供タスク | 10/ダミヤン (×3ダミヤン=30) | 90 |
| 救出 タスク | 10/ダミヤン (×3ダミヤン=30) |
||
| 搬送 タスク | 10/ダミヤン (×3ダミヤン=30) |
- 「作業ミッション」(60点満点)
-
・障害物撤去タスク(30点)
→障害物の側⾯が地⾯に完全に接した状態で撤去完了とする。 撤去中に障害物がダミヤンに接触した場合は得点なし。 ダミヤン救出後の撤去は得点なし。
-
・ガス栓対応タスク(30点)
→ガス栓を締めると得点。以下の写真はあくまでイメージ図である。
- 「調査報告ミッション」(150点満点)
-
・現場到着タスク(10点/ルーム:最大30点)
→ロボットの⼀部がルーム内に⼊ったと審判が判断した時点で到着とする。 各ルーム到着ごとに得点。 -
・被災状況報告タスク(10点/ルーム:最大30点)
→ストーブの有無を正しく報告すると得点。
-
・容体判定タスク(30点/ダミヤン:最大90点)
→ダミヤンの容体を5項⽬判定する。正解ごとに得点(1項⽬6点)。 室内カメラのみでの判定は禁⽌。 QR判定はロボット搭載カメラで⾏う。 判定結果はダミヤン搬送完了までにPCで報告し、変更は不可。
- 「救出ミッション」(90点満点)
-
・⽀援物資提供タスク(10点/ダミヤン:最大30点)
→救出を指示されたレスキューダミーに対して、指定された範囲(ブロック)に支援物資を正立状態で提供することで与えられる。支援物資の提供はダミヤンの救出完了までに行わなければならない。 支援物資による回復は各ダミヤン1回まで。フィジカルポイントの初期値を超えて回復することはない。 物資を使わず救出してもよい。 提供前の⽀援物資はロボットの⼀部として扱う。 複数ロボットによる扱いを認める。 ロボットと⾮接触の場合、リスタート時に回収不可。 スタートエリアに戻し、別ロボットに積み替え可能(提供前のみ)。 提供後の⽀援物資は障害物として扱う。
-
・救出タスク(10点/ダミヤン:最大30点)
→ダミヤンを完全にルーム外へ出すと救出完了。 空中の場合は影で判定する。 -
・搬送タスク(10点/ダミヤン:最大30点)
→ダミヤンを救出エリアに完全に⼊れると搬送完了。 ロボット内にあり確認できない場合、審判確認時点で完了とする。
反則について
レスキューに反する行為、フィールドやダミヤンの破壊、危険行為などに対しては、審判の判断で反則が取られます。
反則の概要
- A. 反則の種類
- 反則は「イエローフラグ(警告)」「レッドフラグ(退場)」「ブラックフラグ(失格)」の3 種類がある。
- B. 反則の宣告
- 主審が反則内容を説明し、該当ロボットまたはチームを伝える。
フラグの種類
- イエローフラグ(警告)
→競技中の軽微な違反に対する警告。
→ロボットに対して与えられる。競技続⾏を許可。
→特定のロボットの同⼀内容の繰り返しでレッドフラグに移⾏することがある。 - ・ダミヤンへの危険⾏為
- ・フィールド破損
- ・⼿順違反
- ・その他
- レッドフラグ(退場)
→競技中の重⼤な違反に対し、該当ロボットを競技から退場させる。
→ダミヤン保持中は原状復帰後、ヘルパーが撤去する。 - ・安全違反
- ・継続破壊⾏為
- ・運営違反
- ・警告無視
- ・その他
- ブラックフラグ(失格)
→フィロソフィーまたは開催趣旨に反する重⼤な違反。
→チーム全体を失格とし、評価‧表彰‧進出資格を失う。
→適⽤は競技時以外の⾏為にも及ぶ。 - ・不正⾏為
- ・運営違反
- ・フェアプレー違反
- ・その他
減点
反則には⾄らないが悪質な⾏為に対して最⼤50点の減点。
- ・競技進⾏
- ・フィールド操作
- ・妨害⾏為
- ・その他
画面の見方
後日公開
表彰
優秀な成績を収めたチーム、ロボット、メンバーを様々な賞で表彰しますが、本コンテストで最も意義深い のは「レスキュー工学大賞」です。この賞は、本選の総合ポイントだけではなく、書類やヒアリングも含む総合的な評価で決まります。
- 主催団体からの授与
- ・レスキュー工学大賞
→レスキューロボットコンテストで最も意義深い賞。詳しくは「こちら」をご覧ください。 - ・ベストパフォーマンス賞
→最も高い総合ポイント(競技ポイントと審査員ポイントの合計)を獲得したチームに与えられる。 - ・ベストプレゼンテーション賞
→チーム戦略などについて、優れたプレゼンテーションを行ったチームに与えられる。 - ・ベストチームワーク賞
→レスキュー活動の模範となるチームに与えられる。 - ・ベストロボット賞(日本ロボット学会特別賞)
→移動および救出機構、遠隔操縦システムなどに優れたロボットに与えられる。 - ・ベストテレオペレーション賞(サンリツオートメイション賞)
→遠隔操縦技術や遠隔操作システムの優れたチームに与えられる。 - 関連団体からの授与
- ・消防庁長官賞
→救助活動において,救助活動において、要救助者の身体的・精神的負担を軽減するという観点から先進的な科学技術を活用し特に優れたレスキュー活動を遂行したチームが選定される。 - ・計測自動制御学会特別賞
→レスキュー工学大賞の受賞チームに送られます。 - ・日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門一般表彰
→ベストパフォーマンス賞の受賞チームに送られます。 - ・第二十二回竸基弘賞レスキューロボットコンテスト奨励賞((特非)国際レスキューシステム研究機構)
競技説明 動画
レスキューロボットコンテスト2024の競技会本選で使用された競技説明の動画です。


