予選競技の概要

レスコン2025の競技会予選では、「予選現地競技」と「予選動画競技」の2競技が行われ、競技会本選に出場する14チームを選抜します。 各競技への参加チームの内訳は書類審査を受けて、以下の通りです。 詳細な参加チームは「こちら」をご確認ください。

予選現地競技
・主催者枠チームを含む予選現地参加チーム(18チーム)
予選動画競技
・全チーム(25チーム)

予選現地競技について

競技概要

予選現地競技の詳細はこちら
競技会場には、大地震で半倒壊となったビルや施設、工場などの半倒壊建屋を模擬した1/4スケールの競技フィールド(約9m×5.5m)が用意されています。フィールド内には、行方が分かっていない要救助者を模擬したレスキューダミー(愛称:ダミヤン)が数体配置されています。
建物の間取りはあらかじめ把握することができ、要救助者の捜索対象は3部屋であることがわかっている。チームは、指定されたスタートゲートからロボットを投入し、制限時間内に以下の3つのミッションを行います。

・作業ミッション
レスキュー活動に関連したミッションです。「障害物除去タスク」、「ガス栓対応タスク」が存在します。
・調査報告ミッション
フィールドの状態を確認し、報告するミッションです。「現場到着タスク」が存在します。
・救出ミッション
フィールドに存在するレスキューダミーを救出するミッションです。「支援物資提供タスク」、「救出」、「搬送」が存在します。

競技時間は6分です。
各チームのロボットは、スタートエリアから出動し、レスキュー活動時間内に数体のレスキューダミーを救出し、救出エリアへ搬送しなければなりません。なお、競技会予選では、コントロールルームとテストフィールドの間に隔壁はなく、フィールドを目視することができます。

予選現地競技と本選競技の違い

・フィールドを直接目視可能で、室内カメラなし
・1競技1チームでフィールドの片側のみを使用
・レスキューダミーおよび作業対象障害物の大まかな位置を事前に通知
・被害状況報告タスクと、容体判定タスクは実施しない
・フィジカルポイントおよびミッションポイントの内訳が異なる
・レスキュー活動前のプレゼンテーションがない
・競技時間が短い
・フィールドに配置されるレスキューダミーが少ない
・ダミヤンが簡易型(センサが内蔵されていない)

競技フィールド



競技フィールドは、テストフィールド(フィールド、外部フィールド)、コントロールルームで構成されています。 テストフィールドは、被災した倒壊建屋内を模擬しており、コントロールルームは被災していない安全な場所と想定しています。

フィールドは以下の3エリアで構成されます。

・ルーム
フィールド内の探索を必要とする場所。ルーム内には、「被災状況報告」ミッション用の報告対象が配置されています。ルーム内部は、閉鎖空間となっている場合があります。内部に照明がない場合があります。ルーム内の1区画を「ブロック」とよび、ブロック内には、レスキューダミーや障害物等が存在します。
・共通エリア
ルームをつなぐ通路・階段のこと。階段がスロープに変更される場合があります。障害物等存在します。
・救出エリア
救出したレスキューダミーを搬送する先の屋外という設定です。救出エリアにレスキューダミーを搬送した場合のみ「搬送完了」となります。
※フィールド内には、通常のガレキ以外に、写真に示すような屋内を模した物(ガレキ扱い)も設置される可能性があります。 写真はあくまでイメージです。


外部フィールドは、被災した倒壊建屋への侵入口付近を再現しています。外部フィールドは、以下の2エリアで構成されます。
・スタートエリア
ロボットおよびその付属品が配置される1,800mm×900mmの区画。 フィールドへ出るためのスタートゲートがあり、道路上面からの高さが600mmであり、幅は700mmです。すべてのロボットはスタートゲートの下を通り出動しなければなりません。
・ヘルパーエリア
競技中にテストフィールド側でヘルパーが待機する場所。コントロールルームからは隔離された位置に設定します。
以下の動画は、競技会本選で使用する競技フィールドと競技ミッションの説明動画になります(動画作成2021年8月)。

競技メンバー

競技会において、コントロールルームに入り競技を行うことができるメンバー。
(一部は兼務可能)

・キャプテン
チームの指揮を執り、チームを総括する。リスタートの要請を行う。
・オペレータ
ロボットの操縦、操縦の補佐、コントロールルーム内のロボットの整備を行う。競技中は、オペレータのみロボットを操縦することが出来る。2 名を上限とする。
・エンジニア
ロボット操縦の補佐、コントロールルーム内のロボットの整備を行う。競技中にロボットのコントローラに触れることは認められない。
・通信デバイス管理者
ロボット通信システムおよびそれに関連する機器の管理を行う。
・ヘルパー
競技中に主にテストフィールド で ロボットの運搬、整備等を行う。また、 リスタート時など 審判の指示を受けた際に、フィールドに侵入しロボットを回収する。

ロボット

ロボットは遠隔操作型あるいは自律型とする。 ロボットの台数、サイズ・重量・機数に制限はないが、スタートエリア(900mm×1800mm)内にすべてのロボット(使用する交換部品等を含む)を配置でき、実験フィールドへはベスタートゲート(幅700mm×高さ600mm)を通過しなければならない。なお、ロボットを操作できるオペレータは2名までに制限されています。
ロボット上部のわかりやすい位置に、操作が容易にできるように、すべてのエネルギー源を遮断できる緊急停止スイッチを取り付けなければならない。

レスキューダミー(愛称:ダミヤン)


要救助者を模擬した身長20~30cmの人形(※複数用意されているが、寸法、形状や質量にはばらつきがある)です。

ポイント詳細

予選現地競技の確定ポイント(350ポイント満点)は、以下のミッションポイントとフィジカルポイントを足したものです。

ミッションポイント(150ポイント満点)
「作業ミッション:障害物除去タスク【20ポイント】」
レスキューダミーの安全な救助のために、レスキューダミーの上に配置された障害物を撤去する。所定の障害物をダレスキューダミーから離して地面に置いた場合に、ミッションポイントが与えられる。以下の写真は参考です。
「作業ミッション:ガス栓対応タスク【20ポイント】」
二次災害発生防止のためにガス栓を操作し、ガスの供給を遮断する。フィールド上に設置された、ガス栓を操作しガスを止めることで、ミッションポイントが与えられる。以下の写真はあくまでイメージ図である。
「調査報告ミッション:現場到着タスク【30ポイント満点】」
調査対象の現場(ルーム内)に、ロボットが到着することで与えられる。 内訳はルームA:10ポイント、ルームC: 20ポイントである。
「救出ミッション:支援物資提供タスク【20ポイント/ダミヤン】」
救出を指示されたレスキューダミーに対して、指定された範囲(ブロック)に支援物資を正立状態で提供することで与えられる。支援物資提供を行うと、レスキューダミーごとにミッションポイントが与えられる。
「救出ミッション:救出【10ポイント/ダミヤン】」
現場(ルーム内)で発見したレスキューダミーを救い出すこと。レスキューダミーをルーム内より救出することでミッションポイントが与えられる。
「救出ミッション:搬送【10ポイント/ダミヤン】」
救出されたレスキューダミーを救出(屋外)エリアへ運ぶこと。レスキューダミーを救出エリアに搬送することでミッションポイントが与えられる。
フィジカルポイント(100ポイント満点/ダミヤン)
「スタートから搬送完了までの時間」
レスキュー活動開始から搬送完了までにかかった時間により定められた計算式を用いて評価する。
その他
「審判団による減点」
不適切な行為が見受けられた場合に発生します。

予選動画競技について

競技概要

予選動画競技の詳細はこちら
競技会予選では、各チームは、後述する「課題フィールドA」、「課題フィールドB」を用意し、それぞれの課題の実施動画を撮影し、動画ファイルを事前に提出します。動画に関しては遠隔操縦(目視可)にてロボットを操作し、レスキューダミーの救出・搬送までの一連の流れを実施、撮影します。課題フィールドごとの制限時間はありませんが、2 つの課題フィールドを合わせて 8 分以内とします。各動画の流れは以下の通りとします。

1. 録画開始(搬送までにかかった時間の測定開始)
2. ゲートからロボットが発進(有線ケーブルもゲートの内側を通ること)
3. 各ミッションを実施しつつ、レスキューダミーまで移動
4. レスキューダミーの救出
5. レスキューダミーをゲートまで搬送(搬送までにかかった時間の測定終了+評価終了)
6. 録画終了
評価に関しては、それぞれの課題フィールドにおいて、後述するミッションポイントおよびフィジカルポイントを判定します。

レスキューダミー(愛称:ダミヤン)について

レスキューダミーについては、実行委員会より各チームへ送付されたレスキューダミーを使用します。 レスキューダミーの服については、着衣必須とし、実行委員会提供の服を着衣します。
なお、予選動画競技で使用するレスキューダミーは、本選競技で使用するレスキューダミーとは異なります。 予選動画競技のレスキューダミーは、「本選で使用するレスキューダミーを模擬した簡易型」となっています。

課題フィールドについて

各課題フィールドのレイアウト画像を以下に示します。

課題フィールドA
(参考:2024大会の写真)
課題フィールドB
(参考:2024大会の写真)

なお、発見報告に用いる「ストーブ」については、規定サイズの箱に指定の画像を貼り付けて制作します。参考写真を以下に示します。

ポイント詳細

予選動画競技の確定ポイント(260ポイント満点)は、以下のミッションポイントとフィジカルポイントを足したものです。

課題フィールド A ミッションポイント(80ポイント満点)
「チェックポイント1を通過【10ポイント】」
ロボットの床面への投射影がチェックポイント1のラインを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
「チェックポイント2を通過【10ポイント】」
ロボットの床面への投射影がチェックポイント2のラインを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
「ストーブの発見報告【10ポイント】」
発見したことを示すため、ロボットの正面側(ゲートから出る際の進行方向側)もしくは、アーム等が指定されたストーブに接触した場合、ポイントが与えられる。なお、偶然接触したと判断した場合は未達成とする。
「レスキューダミーへの支援物資提供【10ポイント】」
レスキューダミー周辺の指定された範囲に支援物資を正立状態で置いた場合、ポイントが与えられる。レスキューダミーを救出してレスキューダミーの地面への写像が支援物資提供範囲外に出て以降は、このミッションのポイントは与えられない。
「撤去対象障害物を撤去する【20ポイント」
レスキューダミー上に配置された撤去対象障害物を安全に撤去し地面に置いた場合にポイントが与えられる。撤去障害物を地面に置いたとは、その側面の1つが完全に地面についた場合とする。撤去中に撤去障害物がレスキューダミーに触れてしまった場合は、ポイントは与えられない。また、レスキューダミーを救出してレスキューダミーの地面への写像が支援物資提供範囲外に出て以降は、このミッションのポイントは与えられない。以下の写真は参考です。
「レスキューダミーを救出してチェックポイント2を通過【10ポイント】」
レスキューダミーを救出した状態で、ロボットの床面への投射影がチェックポイント2のラインを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
「レスキューダミーをゲートまで搬送【10ポイント】」
レスキューダミーを救出した状態で、ロボットの床面への投射影がゲートを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
課題フィールド A フィジカルポイント(40ポイント満点)
「スタートから搬送完了までの時間」
動画開始から搬送完了までにかかった時間により定められた計算式を用いて評価する。
課題フィールド B ミッションポイント(100ポイント満点)
「階段を走破(行き)【20ポイント】」
ロボットがゲート側から階段を乗り越え、ロボットが階段の反対側の床に接触した場合にポイントが与えられる。ただし、途中で階段側面から落下した場合は未達成とする。
「階段を走破(レスキューダミー乗せて帰り)【30ポイント】」
ロボットがレスキューダミーを救出した状態で、チェックポイント3側から階段を乗り越え、ロボットが階段の反対側の床に接触した場合にポイントが与えられる。ただし、途中で階段側面から落下した場合は未達成とする。
「チェックポイント3を通過【10ポイント】」
ロボットの床面への投射影がチェックポイント3のラインを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
「ストーブの発見報告【10ポイント】」
発見したことを示すため、ロボットの正面側(ゲートから出る際の進行方向側)もしくは、アーム等が指定されたストーブに接触した場合、ポイントが与えられる。なお、偶然接触したと判断した場合は未達成とする。
「レスキューダミーへの支援物資提供【10ポイント】」
レスキューダミー周辺の指定された範囲に支援物資を正立状態で置いた場合、ポイントが与えられる。
「レスキューダミーを救出してチェックポイント3を通過【10ポイント】」
レスキューダミーを救出した状態で、ロボットの床面への投射影がチェックポイント3のラインを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
「レスキューダミーをスタートゲートまで搬送【10ポイント】」
レスキューダミーを救出した状態で、ロボットの床面への投射影がゲートを完全に通り過ぎた場合にポイントが与えられる。
課題フィールド B フィジカルポイント(40ポイント満点)
「スタートから搬送完了までの時間」
動画開始から搬送完了までにかかった時間により定められた計算式を用いて評価する。
その他
「審判団による減点」
規定通りのフィールド配置になっていない場合や不適切な行為が見受けられた場合に発生します。

本選への選抜方法

本選へ選抜される14チームの選抜方法は以下のとおりである。

主催者枠(2チーム)
・書類審査時に選出された2チーム
予選現地競技枠(8チーム)
・予選現地競技での確定ポイント上位8チーム
予選動画競技枠(4チーム)
・上記本選進出チームを除くチームから予選動画競技での確定ポイント上位4チーム
※主催者枠と予選現地開催枠が枠数を満たさない場合は、予選動画競技枠を増やし、本選に進出する14チームを選抜する。