第9回レスキューロボットコンテスト
競技について

競技会場

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競技の概要

競技会場には,市街地を模擬した1/6スケールの実験フィールドがあり,その中に要救助者を模擬したレス キューダミー(愛称ダミヤン)が配置されています.フィールドの中に坂道や高台や歩道橋なども設けています.
このフィールド内で同時に2チームが競技を行います.

競技において,最初にプレゼンテーション(2分)を行ない,次に作戦会議(1分)を開いて,ヘリテレカメラで撮影するカメラ映像を基に,ダミヤンの救助作戦を立てます.その後,レスキュー活動(12分)を行ないます.

各チームのロボットは,ロボットベースから出動し,レスキュー活動時間内に3体のダミヤンを連れ帰らなければなりません.オペレータはコントロールルーム内でロボットに搭載されたカメラの映像だけを頼りにロボットを操縦します.また,競技中に,コントロールルーム間通信装置を使用して,チーム同士で連絡を取ることもできます.

チーム

チームを統括する「キャプテン」,チームのアピールを行う「スピーカー」,ロボットの操縦,ヘリテレ カメラの操作を行う「オペレータ」,リスタートの際にフィールド上のロボットをロボットベースまで運搬する「ヘルパー」,レスコンボードおよびそれに関連する機器の管理を行う「レスコンボード管理」,相手チームと連絡を取り合う「コントロールルーム間通信者」で構成されます.チームメンバーは,最大10名まで登録できます.

ロボット

ロボットにはカメラが搭載されており,オペレータはフィールドを直接見ずに,カメラの画像だけを頼り に無線で遠隔操縦を行います.複数台のロボットは競技開始時にはロボットベースに待機しており,スタートとともに,通路を通って被災区域内の現場に向かいます.競技開始時に全機がロボットベースの枠内に収まることが求められています.
しかし,台数,寸法,重量,エネルギー源などには制限は設けられていません.自由な発想を促すために,できるだけ制限を設けないという方針です.

レスキューダミー(愛称:ダミヤン)

要救助者を模擬した身長20〜30cmの人形で,ゴムとスポンジでできた柔らかい体をしています.圧力セン サや加速度センサを内蔵しており,その信号をフィールド外のコンピュータへ電波で送信します.それに基づいて痛みや不快感を計算して画面に表示し,フィジカルポイントを評価します.各チームが救出すべきダミヤンの数は1競技3体です.

技術課題「ダミヤンズを識別せよ」のために,各ダミヤンには,体重,音,光,胸のマークが個体情報として設定されています.

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点数評価

競技ポイント(900点満点)
= ファーストミッション確定ポイント(450点満点)
+ ファイナルミッション確定ポイント(450点満点)

総合ポイント(1500点満点)
= 競技ポイント+ 審査員ポイント(600点満点)

各ミッションの得点は,以下の二つのポイントを足したものです.

フィジカルポイント
レスキューダミーの体力を表しています.時間の経過と共に値が徐々に減っていき,レスキューダミーに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります.これらは,レスキューダミーごとに評価され,最初の値は100点です.
ミッションポイント
救助作業の達成度を評価します.「救出完了」「搬送完了」および「個体識別」の達成についてそれぞれ所定のポイントが加えられ,満点はレスキューダミーごとに50点です.

反則

レスキューに反する行為,フィールドやダミヤンの破壊,危険行為などに対しては,審判の判断で反則が 採られます.反則は,「イエローフラグ(警告)」「レッドフラグ(退場)」「ブラックフラグ(失格)」の3つに分類されます.これらに対するペナルティは,競技の一時停止,該当ロボットまたは該当者 の退場,競技の没収です.

新しい挑戦

今大会より追加された、新たな試みについて紹介します。

特殊ガレキ(家ガレキ)

今回は,特殊ガレキとして「家ガレキ」を導入します.これは,倒壊した家屋を模擬していて,屋根はありませんが,柱と梁と壁,および床材で構成されており,その中に一部のダミヤンが置かれています.これは,簡単に分解できず,持ち上げることも困難ですので,狭い隙間からダミヤンを救出する工夫が必要です.

技術課題「ダミヤンズを識別せよ」

今回のダミヤンは,1体ごとに別々の個体情報(体重,音,光,胸のマーク)を持っています.これをロ ボットに搭載されたカメラやセンサ類を利用して識別して搬送完了より前に報告します.その報告が正しければ,「個体識別」のミッションポイントが与えられます.

画面の見方

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表彰

チーム賞

  • レスキュー工学大賞
    (計測自動制御学会賞)
  • サンリツオートメイション杯
  • ベストパフォーマンス賞
  • ベストチームワーク賞
  • 消防庁長官賞
  • 日本消防検定協会理事長賞

個人・ロボット賞

  • ベストロボット賞
    (日本ロボット学会賞)
  • ベストプレゼンテーション賞