inrevium_cup2_small.png第15回レスキューロボットコンテスト
競技会予選 開催報告

去る2015年6月28日(日)に神戸サンボーホールおよび2015年7月5日(日)に東京都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパスにおいて開催された「inrevium杯第15回レスキューロボットコンテスト 競技会予選」について報告します。

競技会予選とは

書類審査で採択された25チームから、2015年8月8日(土)〜9日(日)の競技会本選に参加する14チームを選出します。 本選よりも小さめのフィールドで実際に救助活動を行ってもらい、ロボットの完成度やアイデアの実現度、チームの操縦技術を評価しました。

参加チーム

参加チームのページを参照。

評価方法

競技会本選より小型のフィールドを用意し、実際にダミヤンを救助します。 本選との大きな違いは、目視による操縦が許されている点です。 競技は救出中のダミヤンに対するダメージ(フィジカルポイント)と救出状況(ミッションポイント)を総合した点数で評価されます。また第13回より予選でも、ダミヤンに内蔵されたセンサーでダメージを判断します。

ポイント詳細

各ミッションの確定ポイント(300点満点)は,以下の二つのポイントを足したものです。

  • ミッションポイント (50点満点/体)
    救助作業の達成度を評価します。内訳は以下のようになっています。
    • 「救出完了」20点
      ダミヤンをエリアから道路へ完全に出すと与えられる。
    • 「搬送完了」10点
      ダミヤンをロボットベースまで連れ帰ると与えられる。
    • 「個体識別」20点
      個体識別因子の正解数に応じて与えられる。識別には「眼の色」「周波数」「体重」「マーカ」「点滅」の五つの因子があり、正解1で10点、正解2で14点、正解3で16点、正解4以上で20点が与えられる。
  • フィジカルポイント (100点満点/体)
    ダミヤンの体力を表しています。時間の経過と共に値が徐々に減っていき、ダミヤンに内蔵されたセンサが力や衝撃を検出する度に値がさらに減ります。これらは、ダミヤンごとに評価され、最初の値は100点です。

競技結果

神戸予選

チーム名ダミヤン1ダミヤン2










P
ミッションP




P
ミッションP
救出

搬送

救出

搬送

MCT0014183016078
レスキューHOT君533006030140187
肥後もっこす00000000
とくふぁい!00015300540
メヒャ!6330103730100180
SANZOU00000000
WADAI救命9課 0014000014
SLR00000000
MIC team R00000000
MS−R000253016071
都工機械電気020146130105130
大工大エンジュニア45301600100101
おかQ00000000
救命ゴリラ!!0009300534
がんばろうKOBE7230147430100230
なだよりあいをこめて793008130140234
六甲おろし0016000511
Fukaken13014000045
SUKUI隊373000002047
SHIRASAGI00066300096

東京予選

チーム名ダミヤン1ダミヤン2










P
ミッションP




P
ミッションP
救出

搬送

救出

搬送

長湫ボーダーズ020100010040
IPL0x14000000100
RMF rescue00000000
TRC00000000
産技荒川隊001000055

本選参加チーム

書類審査の際に決定している「主催者枠」の1チームを除いた競技ポイント上位9チーム(神戸予選上位6チーム、東京予選上位3チーム)を「ポイント獲得枠」として選出しました。それ以外に、ロボットの開発への取り組みやアイデアを評価する「チャレンジ枠」として4チームを選出しました。

なお、東京予選においてポイント獲得枠上位2チーム(産技荒川隊と長湫ボーダーズ)を除く3チームの確定ポイントが同じでしたので、規定にのっとり、レッドフラグ、イエローフラグがなく、書類審査の順位が上位であったTRCがポイント獲得枠として選抜されました。

主催者枠(1チーム)

チーム名団体名
なだよりあいをこめて神戸市立科学技術高校 科学技術研究会
50音順

ポイント獲得枠(9チーム)

チーム名団体名予選会場
がんばろうKOBE神戸市立高専神戸
産技荒川隊東京都立産業技術高専 荒川キャンパス東京
SHIRASAGI兵庫県立大学 ロボット研究会神戸
大工大エンジュニア大阪工業大学 モノラボロボットプロジェクト神戸
TRC関東社会人研究者有志団体東京
長湫ボーダーズ愛知工業大学東京
都工機械電気大阪市立都島工業高校 機械電気科神戸
メヒャ!岡山県立大学 ロボット研究サークル神戸
レスキューHOT君近畿大学 産業理工学部 ロボット工作研究会神戸
50音順

チャレンジ枠(4チーム)

チーム名団体名選定理由
IPL0x14会津大学 コンピュータ理工学部初出場ながら第三者視点ロボの導入やレスキュー活動中の各ロボットの行動計画の明確化、ロボットの整備性の配慮をしている点を評価した。
MS−R金沢工業大学 夢考房情報共有の徹底や実際に消防署で採用されているスクープストレッチャーを模した救助機構を導入しようとしている点を評価した。
MCT松江高専 機械工学科温度・湿度・ガスなどを計測する各種センサ、耐ノイズ性の高いCAN通信によるモータ制御、力フィードバックによるやさしい救助など様々な技術を導入しようとしている点を評価した。
とくふぁい!徳島大学 ロボコンプロジェクト飛行型と地上型を組み合わせてそれぞれの長所を取り入れ、迅速性・安定性の両方を兼ね備えたロボットを製作しようとしている点を評価した。
50音順

来場者数

  • 神戸予選:877名
  • 東京予選:324名
  • 合計:1,201名

同時開催行事

東京予選

  • ミニ ロボットレスキュ−体験
    (レスキューロボットコンテストシーズ実行委員会、埼玉大学ロボット研究会)
    • 内容
      災害地を模した小さいフィールドを使います。ロボットでケガ人を安全エリアまで運ぼう!
  • 特別講演「ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジの目指すもの」
    (主催:レスキューロボットコンテスト実行委員会)
    • 特別講演者:奥川 雅之(愛知工業大学 工学部 機械学科 准教授)
    • 講演内容
      ジャパンバーチャルロボティクスチャレンジ(以下、JVRC)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催して、10月7日〜10日にCEATEC JAPAN 2015を会場として開催されます。コンピュータ空間内で行われるバーチャルなロボットコンテストです。そのJVRCのテーマは、トンネル災害です。日本には多くの老朽化したトンネルが点在し、それらの点検や保守あるいは事故や災害にロボット技術を導入することが考えられています。このJVRCはそのような背景があり大変注目を集めています。レスキューロボットコンテストは災害を想定したコンテストであり、JVRCとも非常に関連があります。そこで、JVRCの開催にも尽力している、レスコン副実行委員長でもある奥川雅之が、JVRCの目指すポイントや競技の内容などを詳しく紹介しました。
  • 特別対談「レスキューロボットコンテストの未来を語る」
    (主催:レスキューロボットコンテスト実行委員会)
    • 話者:横小路 泰義(神戸大学 工学部 機械工学科 教授)、奥川 雅之(愛知工業大学 工学部 機械学科 准教授)
    • 講演内容
      レスコン第4代実行委員長の横小路泰義はロボットの操縦系を研究する一方、サンダーバートが大好きで す。また、ロボカップ実機リーグやJVRCに精力的に参加し、レスキューロボットの研究に邁進している奥川雅之は、スター・ウォーズのファンでもあります。この二人が現在のレスキューロボットの研究活動を背景に、将来のレスキューやロボット技術について、それぞれの独特な世界観に基づき対談を行いました。

東日本大震災募金金額

会場にて、皆様からお預かりした募金およびチャリティーグッズの売り上げは以下の通りでした。

神戸予選
3,002円
東京予選
4,700円

なお、競技会本選にて募金いただいた金額を総計して、すべてを日本赤十字社に寄付をする予定です。

他ウェブサイトによるレポート