レスキューロボットコンテストをよりよく理解していただくために、これまでに寄せられたご質問などに基づいて一般向けQ&A集を用意しました。これ以外のご質問やご意見がございましたら、お気軽にoffice@rescue-robot-contest.orgまでご連絡ください。
■特徴・考え方
- 「レスキューロボット」の「コンテスト」、それとも、「レスキュー」の「ロボットコンテスト」?
- 他のロボットコンテストとの違いは何ですか?
- 実際に災害で被害にあった方が不快に思うのではないでしょうか?
- 人命救助に対して点数をつけるというのは変ではないですか?
- ガレキに埋まっているレスキューダミーをどのようにして見つけるのでしょうか?
- 実際のレスキュー活動では要救助者を見つけることがもっとも重要です。このコンテストではそれが軽視されているのでは?
- なぜ1/8スケールなのですか?
- 無人の街でロボットだけで救助活動を行なうというのは不自然ではありませんか? 被害に合わなかった人間はどこに行ってしまったの?
- ルール(規定)はどのようにして決めたのですか?
- 今までのところ、このコンテストは社会啓発として効果をあげていますか?
■背景・位置付け
■技術関連
■参加
■競技を観るにあたって
■その他
A: 現時点では、「レスキュー」を題材とした「ロボットコンテスト」と説明したほうが正確です。なぜなら、本当のレスキュー活動をかなり単純化し、1/8スケールの模型を使っているからです。しかし、だからと言って、実物大のレスキューロボットとかけ離れたものではなく、実物大でも重要となるいくつかのエッセンスが含まれています。また、将来的には、1/1の「レスキューロボット」の「コンテスト」も実施できればと考えています。
A: 大きな違いは、レスキューに関する社会啓発という役割があるところです。すなわち、このコンテストは単なる勝ち負けを競うのではなく、できるだけたくさんの方にレスキューの重要性や難しさを知っていただくことを第一目的としています。この点が大きな特徴になっています。そのようなことから、コンテストの規定には明示されていない点に関しても、参加者自身のレスキュー活動に対する人道的価値観に基づいて、ロボットや作業方法を設計してもらいたいのです。またその考え方をコンテストの場で大いにアピールしてもらうことを期待しています。それ以外にも、細かな点も含めて違いは色々あります。たとえば、
- 対象を優しく扱う技術(メカ、操作法)が重要なこと。
- 真の遠隔操縦であること (ロボットを直接見ながらは操縦できない)。
- 競技中のチームワークが大変重要なこと。 (ロボットを作るだけではなく、それをいかに使いこなすかが重要。)
- プレゼンテーションが課せられている。
- 機材の貸与がある。
- 出場ロボットに対する制限が緩い。
- 参加チームは学生や学校に限定していない 。 (合同チーム、社会人、個人も参加可能。)
などがあります。
A:その点は、レスキューロボットコンテストが生まれた当初から関係者全員で悩んでいるところです。ただ、私たちは「遊び」でこのコンテストを実施しようとしているのでは決して無く、真剣に、将来的に現実の世界でのレスキュー技術の発展を願っているという点を強調しておきたいと思います。その思いに加えて、これまでの活動を繰り広げているなかで、レスキューに関する社会啓発は必ず必要であるという実感を持ちましたので、実施方法を工夫することでなんとかネガティブにとられないように注意を払いながら実施してゆこうと考えています。
A:大変難しい問題です。主観的には抵抗があると思います。ただ、コンテストの目的が競技会を通じてより良いレスキューロボットを開発する(ためのヒントをつかむ)ことにあるとすれば、「より良い」を客観的に評価しておくことが必要かと思います。実際のレスキュー場面で救助活動に点数をつけるということには大変抵抗がありますが、より有効なシステムを開発する過程の評価というように捉えていただければ感じ方もかわるのではないでしょうか。
A:高さ1,800mmの隔壁の上からフィールドを俯瞰しているカメラがあります(ヘリテレ)。第1回コンテストでは、この映像によって確認できる程度にレスキューダミーが埋められています。
A:このコンテストの構想段階から同じ議論はありました。その段階では、「探索(同定)」を主眼に置いたコンテストの案もありました。また、「探索」・「掘削」・「搬送」の要素を総て取り入れたコンテストの構想もありました。ただ、最初から総ての要素を取り入れるのは大変難しく、まずはできそうなところから順に実現してみようということで、今回は「掘削」・「搬送」に主眼を置いたものを考えることにしました。したがいまして、数回後のコンテストでは、「探索」要素も取り入れたものにしてゆく予定です。
A:コンテストの内容を検討している初期の段階では、1/1スケールで実施しようという案もありました。さらには、本物の人間を救助対象にしようという案もありました。その方が観客にわかりやすく(見やすく)、また、実用につながりやすいという理由からです。しかし、それでは非常に大きな会場が必要となりますし、トラブルが発生した場合に大きな危険を伴いますので、まずはスケールダウンをすることにしました。また、コンテストのストーリーとして、通路の確保や径路の選択や要救助者の運搬も盛り込まれているため、ある程度の街路を模擬する必要があり、9ブロックの街と妥当な会場の広さから現在のスケールが決まりました。
A:二次災害の恐れがあり、被災区域に人間が立ち入れないという想定です。たとえば、阪神・淡路大震災の直後には、神戸市東灘区でガス漏れの恐れがあり、ある指定された地域の住人が避難するということがありました。災害の現場に限らず、危険な場所で人間に代って作業をするというのは、ロボットに課せられた重要な役割です。そして、このようなロボットを実現するにあたって、一つの鍵となるのが遠隔操縦技術です。作業効率が良く、疲れにくく、かつ、低コストな遠隔操縦システムの実用化が望まれていますが、このコンテストは、そのような問題をモデル化したものになっています。一方で、災害現場において、人間と協調したり、人間を支援して作業を行なうロボットもまた、実用的な面からも学術的な面からも重要ということが言えます。このような内容を題材とした別の種類のコンテストも、今後の展開の一つとして考えてゆくつもりです。
A:現実の救助活動を第一に考慮して策定しました。また、真摯にレスキュー活動を行った際に不利にならないような配慮もしています。もちろん、コンテストとして運営する以上、円滑な運営を目的としたルール(規定)も一部あります。
A:まず、色々なメディアに記事やニュースが流れることを通して、レスキューという言葉が従来よりも浸透し始めているのではないでしょうか。さらにより具体的には、参加チームのメンバーが本コンテストへの出場を機会に神戸を訪れ、震災に関する調査などを行い、その結果、改めてレスキュー活動の重要性を認識したということを聞き及んでいます。
A: そもそものきっかけは1995年の阪神・淡路大震災です。その後すぐに、社団法人日本機械学会の中にレスキューに関する二つの研究会が連続して立ち上がりました。その中で「研究と同時に、多くの人にレスキュー技術の重要性や難しさを知ってもらうことも大切」という考え方が生まれました。すなわち、何らかの、例えばコンテストの形態を活用することにより、社会啓発に結びつけるということも重要だろうという考え方です。そのような時期に、ロボット創造国際競技大会(ロボフェスタ)という催しにおける新規競技会開催の募集があり、このコンテストを提案し今回の実施に至りました。
A:今年から始まるロボフェスタの中には「ロボフェスタ関西」と「ロボフェスタ神奈川」があります。第1回レスキューロボットコンテストは、「ロボフェスタ関西」の中の新規競技という位置付けで行われます。
A:現在のところは独立して活動しています。現状では、ロボカップレスキューは計算機シミュレーションの世界でのレスキュー活動をターゲットにしており、レスキューロボットコンテストではスケールダウンされた世界ではありますが、現実の世界における活動を念頭におき、取り組みがすすんでいます。ただ、どちらもレスキュー技術の更なる発展を望んで始まったものですので、将来的には何らかの連携をもってゆければと考えています。
A: レスキュー活動をモチーフにしたイギリスのドラマ「サンダーバード」の中で国際救助隊が設立されるのが2026年ですので、それを目標に同じ年までに完成を目指している(現在のところは仮想的な)研究所です。国際レスキュー工学研究所の中では様々な部門に分かれて、レスキューシステムやレスキュー工学の研究を行っています。その中の一室に「1/8スケールのフィールドが用意されており、そこでまず模型を使ったアイデアの検証をしようとしています。研究所の別の部屋では、レスキューダミーの開発や、実スケールのレスキューロボットやレスキューシステムの研究開発が進められています。現在のところは架空の研究所ですが、将来必ず必要になると思っています。研究所建物の完成を2026年としていますが、組織としてはできるだけ早く設立されるべきだと考えています。
A: テレビシリーズ「サンダーバード」は、1964年にイギリスで描かれたSF人形劇です。南太平洋の孤島に基地を持つ国際救助隊の活躍を描いたものです。この国際救助隊は、世界中で続発する大事故、災害から、あらゆる人々を救出するために作られた私設救助隊であり、2026年にその活動を開始するという設定になっています。国際救助隊のレスキューシステムは、非常に簡潔でありながら、指揮系統は確立しており、信頼関係の元に成り立っています。宇宙ステーションにおける救助連絡の察知、出動の俊敏さ、現場での的確な指示、迅速な救助活動、あらゆる災害を想定した救助機器とそれを整備する科学者の知識などが一つにまとまって、人命救助という困難な仕事を遂行しています。サンダーバードには、単にメカのおもしろさだけではなく、そこに描かれているレスキューシステムには学ぶものが多くあり、レスキューロボットコンテストが将来目指す理想の形態の一つであると考えています。また、このシリーズは、実行委員の多くにとって、子供のころの憧れであったという側面も有しています。しかし、何よりも、阪神・淡路大震災の時に素朴に「なぜサンダーバードがこないのだろう?」と感じた方も多いのではないでしょうか?
A: 災害救助ロボットは、いくつかの機関や大学などで研究されていますが、実際に配備されているのは東京消防庁の「ロボキュー」だけです。ただし、消火ロボットや災害に対応した特殊車両はいくつか配備され、活動実績もあります。「ロボキュー」とは、救助を目的として開発された二本の腕をもったロボットです。しかし、専門に訓練を受けた人にしか操縦ができず、熟練が必要だと聞いています。また、日本で1台だけしかなく、これまでには活躍の機会がなかったそうです。今後は、より高性能なだけではなく、誰にでも操縦がしやすく、低コストで各地にたくさん配備できるようなロボットの開発が望まれています。レスキューロボットコンテストを、そのようなロボット開発のアイデア源としていきたいと考えています。
A: 現状ではまだ実際に研究中の、言わば実物大のレスキューロボット(あるいはそのもののミニチュア)は出場しておりません。今回のコンテストでは、かなり単純化された災害現場のモデルに対して、レスキューの専門ではない学生や社会人が、ロボットを設計・製作・操縦をしています。もちろん、全く無関係であることはなく、レスキューロボットコンテストに参加するロボットの中には、現実のレスキューロボット開発につながるアイデアが含まれていることもあり得ると思います。あるいは、今回のロボットを考えているうちに、現実の世界のロボットに関するヒントが生まれるかもしれません。コンテストはそのような効果を狙っているとも言えます。
A: おっしゃるとおり、制限になります。これは、今回のコンテストにおける大きな制限の一つですが、故意に設けております。その意図は、「実際のレスキュー活動においても何らかの制約が必ず加わるだろう。無線操縦システムに制限を加えるのはその制限に相当するものである。」というものです。この制限に限らず本コンテストにおける種々の制限は、そのような現実の場面における制約の象徴という意味合いがあります。ただ、2000年8月のプレ大会などの様子をみていますと、ラジオコントロール機器の枠組みのなかでも、工夫次第ではかなり凝ったことができることがわかります。このような制限下で最大限の効果を生む工夫をするところは、ロボットコンテストの醍醐味ではないでしょうか。
A: 通信装置の制限や、コスト・技術的な面から、力を直接オペレータに返すのは難しいかもしれません。しかし、その代りとして、レスキューダミーが受けている力などをコントロールルームに実時間で表示する仕組みを主催者から提供しています。レスキューダミーを扱う場合に限っては、この表示を見ながら操縦量を調整することができます。ただ一方では、工夫次第では可能であるかもしれないとも思います。たとえば、ロボットからはCCDカメラの映像信号が無線で飛んできますので、それを上手に利用することもできるのではないでしょうか。
A:視野角は、広角レンズで約62度あり、これは1m先の約1.7mの幅に相当します。おっしゃられるように、多くのチームはこの視野角では狭いと考えており、あたかも車を操縦する人が首を回して視野を広げるように、無線カメラを遠隔操縦でいろいろな方向に向ける仕組みを考えています。また、このような制約を補うために、本コンテストではヘリテレ(災害現場上空を飛ぶヘリコプターからの俯瞰映像を模擬した映像を提供する)という役割を設けることが許されています。このヘリテレから送られてくる映像を活用することも効果的です。ただ、いずれにしても、このような制約の下で最高の作業を実現する方法を考えるのが、ロボットコンテストのおもしろいところかと思います。
A: レスキューロボットコンテストでは、基本的には無線操縦型のロボットを用いることを想定していますが、自律型ロボットを用いることを禁止してはおりません。実際、2000年8月のプレ大会では、自律型ロボットも登場しておりました。しかし、このような活動の最終目標が真に役立つレスキューシステムの開発にあるのならば、自律型にしなくてはならないのではないか、ということはなく、むしろ人間による操縦型ロボット(装置)の方が必要になるのではないでしょうか。もちろん、自律型ロボットが有効な場面もありますので、現実には自律型と操縦型とのハイブリッドシステムが最も良いのではないでしょうか。
A: 私たちは、このコンテスト用に限らず、レスキュー活動の訓練や評価に使う人形を総称して「レスキューダミー」と呼ぶことにしました。たとえば、消防隊が訓練で使っているマネキン(砂)人形もレスキューダミーの一種と考えています。自動車の衝突実験に使われる人形もダミーと呼ばれていますが、それに対応するものです。衝突実験のダミーと同じように、レスキューダミーは様々なセンサを内蔵し、より人間に近い特性を持つようにすべきだと考えています。第1回コンテスト用のレスキューダミーは、限られたセンサと自由度しかありませんが、将来的には実スケールで、たくさんのセンサを内蔵し、質量分布や関節の自由度・柔らかさが人間に似たレスキューダミーを開発したいと考えています。
A: はい。充分では無いと考えています。特に首にセンサを取り付けていないのは、よく指摘されます。全体的にもう少しセンサを組み込みたいと思っておりますが、現状ではスペースの関係で少々難しい状況です。今後は、よりコンパクトな回路を設計するなどして改良してゆきたいと考えています。なお、首にセンサがない現状で万が一首を掴んだ場合にどう評価されるかと言うと、目視によって審判団が判定することになります。すなわち、そのような行為を行うと「イエローフラグ」が挙げられることになります。できるだけ公平に目視評価をするため、レスキューダミーごとに副審を配置しています。今回用いる第1回コンテスト用レスキューダミーは、「レスキューダミー」というアイデアを世に問う第1弾です。今後は、もっとセンサを増やし、生体らしい柔らかさもモデル化し、更には探索の手がかりとなるような、熱、音、二酸化炭素などを発する高機能バージョンを開発してゆきたいと考えています。また一方で、低価格化やキット化をし、参加チームが気軽に使うことができるような簡易バージョンの開発も必要だと考えています。
A: ヘリコプターに搭載されたテレビカメラから映像を伝送し受信するシステムの全体を「ヘリテレ」と呼びます。コンテストではこの言葉をテレビカメラの部分のみを指す言葉として使用しています。災害が発生したとき、災害の状況を早く、そして正確に把握するため、消防ヘリコプターにテレビカメラを搭載して上空から撮影を行います。この映像は消防本部や現場近くにいる消防自動車に伝送され、救出計画を立てるとき、あるいは救出活動そのものに利用されます。消防ヘリコプターに搭載されているテレビカメラは、ヘリコプター自体が揺れても映像自体は揺れない、ヘリコプターが移動しても自動的に災害現場を追尾する、などの特別な機能があります。
A: このコンテストに参加するロボットを作る段階で、新しいロボットのアイデアが発掘されることが期待できます。そして、そこで生まれたアイデアが大きく育つ可能性があります。たとえば、遠隔操縦の方法や装置に関しては、コンピュータゲームに慣れた若い人達の斬新なアイデアが出てくるかもしれません。さらに、レスキューロボットコンテストに参加する、あるいはコンテストを観る、ということを通して、現実のレスキュー活動について考えていただける時間が取れるという点が、大きな効果だと思います。その結果、少しでも多くの研究がはじまれば良いと考えています。
A: はい。続けてゆくつもりです。現在のところ、2002年1月ごろ参加チーム募集の締め切りを行い、コンテストの実施は、いわゆる夏休みの終わりごろを想定して、検討をすすめたいと考えています。
A:規定上は一人でも出場できます。しかし、実際のレスキュー活動では多くの隊員が連携して活動を行います。隊員間のコミュニケーションもレスキュー活動にとって大変重要な要素なのです。このコンテストはそのような点もモチーフにしていますので、何人かのチームで出場されることをお勧めします。
A: レスキューロボットコンテストのフィロソフィーに賛同していただける方であれば、特に資格は必要ありません。ただし、実際にロボットを製作する必要がありますので、その資金と工作の知識や技術が必要になります。具体的には、ラジオコントロール機器の基本的な知識や、機械工作・電気工作の技術です。また、ロボットの専門知識よりはアイデアや工夫が重要です。なお、参加応募時点では、レスキューに関する専門的知識はそれほど必要ではないと思われます。しかし、実際のレスキューに関して調べたり考えたりすると、ロボットの製作や操縦に関して有利になると思われます。
A: 参加資格に身分の制限はありません。可能です。したがいまして、現役の学生とOBや先生が一緒にチームを作って参加することもできます。また、一つの組織(学校や会社)として出場しなければならない制約もありません。
A: 大会の数カ月前に行なう練習会のことです。主催者側は本番に近い環境を用意しますので、参加者側はロボットの性能テストや操縦練習ができます。また、本番へ向けての準備にメリハリをつける中間ゴールという意味合いもあります。第1回コンテストの試走会は、2001年5月3日にグランキューブ大阪で行ないました。
A: 現状では参加チームへの資金援助はできません。ただし、参加チームには、ラジオコントロール機器セット:3セットと、無線カメラセット:3セットを貸与します。
A: 本来ならばコンテストで使うものと同じレスキューダミーを参加チームに貸し出し、それを用いて十分に練習をしてもらうべきなのですが、資金的な理由から現状ではできません。その代りに、レスコンホームページにおいて、主催者が用意するレスキューダミーの情報を総て公開しています。これを見ていただければ、参加チームが全く同じ、あるいは、一部の機能を模したレスキューダミーを製作することが可能です。
A: ロボットの台数に制約はありません。1台でも10台でもかまいません。しかし、貸与機器の個数には制限があります。また、総てのロボットがスタート時点ではロボットベース(1,200mm×1,200mm)の中に入っていなくてはならないことと、被災区域に行くには高さ450mmのベースゲートをくぐらなくてはならないという制約がありますので、それらをクリアする必要があります。逆に、それらをクリアすることができれば、ロボットの台数には制約はありません。
A: この課題を設けることは、レスキューロボットコンテストの大きな特徴の一つです。その意図は、参加チームに単にある作業を遂行するためのロボットを設計して操縦するという課題をクリアしていただくだけではなく、レスキュー活動について少しでも長い時間を費やして考えていただこう、という点にあります。また、観客にも一緒にレスキュー活動について考えていただく機会を設けようという意図もあります。一方、コンテストという観点からは、観客にとっては競技を見ているだけではわからない、コンセプトの部分を伝える役割も大きいかと思います。たとえば、結果的にうまく実行ができなかったとしても、各チームがどのようなレスキュー活動をしようとしていたのか、各チームのレスキュー活動に対する考え方、ロボットの特徴(工夫点)などは、よりよく伝わるのではないでしょうか。
A: まず、レスキューをテーマにしていることを意識してください。そして、ロボットがいかにレスキューダミーをやさしく取り扱おうとしているかという点に注目してください。実際のレスキューではどうなんだろうというようなことを常に頭の片隅に思い描きながら見ていただければとも思います。また、自分があのロボットに救助される際にはどのような気持ちになるだろうか、ということを考えながら見ていただけると、ロボットの出来具合をより判断でき、より効果的な見かたになると思います。さらに、複数のロボットがどのような役割分担をしているのか、また総合的な機能を身につけているのかにも着目してください。役割を明確に分担しているチーム、1機で同時に2体のレスキューダミーを救助するチームなど、いろいろあるでしょう。協調的に作業が遂行されているのかどうかも、注目すべき点です。また、不具合に陥ったロボットがあった場合に、残りのロボットがそれをどのように補うかも見ものです。一方、ロボットのコンテストという観点からみると、ロボットの動きがぎこちない、あるいは、まどろっこしいと感じることも多々あると思います。しかし、壁の向こうからカメラの映像だけを頼りに遠隔操縦されていることに着目してください。カメラの視野は限られていますし、時に、電波状態が悪く映像が鮮明には映らない場合もあります。3台の無線カメラの内の一つの映像がスクリーンに表示されていますので、その映像を見ながらオペレータの立場で実際の操作を想い描いてみてください。なお、会場の広さに対してロボットが小さめなので、双眼鏡などを持参していただく方が見やすいかもしれません。
A: このコンテストは競争ではなく自己啓発を目的としていると言えます。その意味では、フィールドは一面でもかまいませんが、より効果的に自己レベルを高めるためには、比較要素があるほうが良いのではないかということで、フィールドを二面用意しています。競技会としては、2チームによるタイムトライアル方式になっていますが、相対評価で点数を決めるのではなく、絶対評価で点数を決めるようにしています。
A: 一般に、被災区域とレスキュー隊の基地は離れていることが多いだろうということで、遠隔地にあるレスキュー隊基地からレスキュー隊が出動し現場に向かうまでの道のり、ということを想定しています。結果として、ある程度の長距離を高速に移動可能な機能と、ゆっくりと力強く活動するという多様な仕様を満たすロボットを設計する必要が生じ、これも間接的なロボットへの要求となります。また、演出上は、レスキューロボットが観客の目の前のハイウェイを、自分の姿を見せながら通り過ぎてゆくという「花道」的要素もあります。
A: このラインはもともと、自律型ロボットの出場を予想して設けられたものです。おっしゃるとおり、現実のものはもっと細く、しかも道路状況によっては寸断されていることもあるかと思います。本コンテストでは、最初から現実に忠実にしすぎると、自律型ロボットの出場に対するハードルが高くなりすぎるのではないかと思い、まずは簡単な場面を作ってみたというのが現状です。
A: 両者の配置は意図的に各競技で変えます(そしてその配置は競技が始まるまでにはチームには知らされません)。ただ、できるだけ難易度は同じになるように努力はいたします。もちろん、それでも多少の難易度のばらつきはでるかもしれませんが、この点は次のように考えてはいかがでしょうか。すなわち、現実の災害現場では毎回災害の様子は異なるし、現場に到着するまではどのようになっているのかは判りません。それでも、常にきちんとレスキュー活動を行わなくてはなりません(ガレキの様子が前回と違うからレスキュー活動はできませんでは済まされません)。そこから考えますと、本コンテストにおいても多少の難易度の違いにはビクともしないレスキューシステム(チーム)を構成していただきたいと思います。おそらく、従来からあるロボットコンテストにおいては、完全な公平性をだすことが非常に大切であったかと思いますが、レスキューロボットコンテストではあえてそれほど厳密には追求しないというようにも言えます。
A: 基本的には、時間やレスキューダミーへのダメージ、作業達成度で客観的に評価しますが、それ以外に、主観的な評価を取り入れたいがために設けております。すなわち、現状の規定では陽に禁止されてはいないが、その行為が人道的観点からみてふさわしくないというようなことをも、うまく利用して高得点をあげようとした場合などについて、評価する必要があります。審査員にはそのようなことを主に観ていただこうと考えています。
A: 今回の会場レイアウトは、ロボフェスタ関西という枠組みの中で決められたものですので変更はできないのですが、確かに観客と舞台が遠すぎてレスキュー活動そのものが見えない心配はあります。そのために、カメラ撮りした競技会の現場の様子を、できるだけ大きなスクリーンにアップで映すことを考えています。
A: 「ダミアン(DAMIEN)」は「オーメン」というホラー映画に登場した「悪魔の子」ですが、私達のレスキューダミーの愛称は「ダミヤン(DAMIYAN)」です!しかも、アクセントは「ダ」ではなく「ミ」にあります。大阪弁では、親しみを込めた敬称として「〜さん」の意味で「〜やん」を使うことがあります。「ダミーやん」 →「ダミヤン」というわけです。
A: 短期的に貴社に直接の利益をもたらすことは残念ながらないかもしれません。ただ、このコンテストにはレスキュー活動の重要性などを社会に訴えるという社会啓発という意味合いが強くあります。そのようなコンテストに支援するということは、社会的にみて貴社への印象が大変良くなるのではないかという期待感はあるのではないでしょうか。現状ではレスキューに対する市場は限定されており、多くの企業では採算が合わないという印象をもたれております。確かに現状はそうかもしれませんが、近い将来、必ず起こるであろう次の大災害に備えて、この分野は充実しておかねばならぬことは明らかで、拡充されてゆく分野であろうと予想されます。そのようになったときに、非常に早い時期に少しでもレスキュー分野に関わっていたという実績は、有効になるのではないでしょうか。さらに長期的には、このコンテストを支援していただくことで、創造性や問題解決能力が豊かで、社会的正義感や倫理観の高い若者を多く育み、その結果として真に豊かな社会が実現し、それが貴社の繁栄にもつながるのではないかと期待しています。
A: 一般のロボットコンテストに比べて、その主旨や狙いが少々複雑なので、初めてコンテストを見る方には、短い時間でそれらを理解してもらうことが難しいのではないかという点です。また、運営面では、実行委員会の人手不足、フィールドの収納場所と設置場所の不足(できれば常設して、随時、実験を行いたい)、第2回目以降のコンテストの運営や資金調達などが問題としてあります。
A: 第1回コンテストはロボフェスタの中の競技となっていますので、その関係の支援があります。しかしそれだけでは不足しますので、各実行委員が企業に対し支援依頼をして、資金的な援助を得ることにより運営が成り立っているのが現状です。あるいは、国の研究プロジェクトに応募したりしています。
A: 第1回コンテストのための実行委員の多くは、従来から様々なロボットコンテストに出場したご経験をお持ちの方々に声をかけて集まっていただきました。ただし任期は2001年の8月末日までということでお引き受けいただいておりますので、第2回コンテストのための次期委員を選考する段階に来ております。
A: 基本的にはウェルカムです。一度 office@rescue-robot-contest.org にコンタクトしてみてください。